ローマ帝国の賢帝に数えられたマルクス・アウレリウスを『皇帝伝』はこう記している。
<何かを決定する前には、それが軍事上のことでも政治上のことでも、その方面の専門家の意見に耳を傾けた。これが、皇帝マルクスのやり方なのだった。そしてそれがまだるっこしいと言う人には、次のように答えるのも常だった。『多くの友人の考えを聴いて決めるほうが、正しくはないかね。友人たちがわたしという一人の人間の考えに、ただ従うよりも』>=塩野七生著『ローマ人の物語』から
自分が間違っているかもしれないと自分を突き放して見る人は少ない。特に地位が上がれば上がるほど。と同時に、地位が上がれば上がるほど、周囲は口をつぐむものだ。
人間のこころを読む能力に長けた哲学者マルクスは、トップが陥りやすい独善を防ぐ方法を明確に示した。こうすれば友人は口を開く。
トップはえてして独善に陥る。ではどうすればいいか。皇帝マルクスでさえ実行した方法を見習えばいい。「そんな方法、自分には必要ない」と言える人がいるだろうか。
