最近の事例を挙げると、雪印乳業の集団食中毒事件が分かりやすい。

「私だって寝てないんだ」

 社長のこのひと言が繰り返し報じられ、辞任に追い込まれた。

 記者たちとの前後のやりとりはカットされ、「私だって寝てないんだ」だけが繰り返し報じられた。この言葉だけ聞けば、社長は自分のことしか考えていないと思われてしまう。雪印乳業のイメージを完全崩壊に導いた言葉である。

 しかし、「私だって」と言っているということは、ほかの人(ここでは社長に言葉を投げかけた記者)が先に「俺は寝てないんだぞ」と言ったことが分かる。つまり、こういう流れだ。

記者「俺は寝てないんだぞ」

社長「私だって寝てないんだ」

 実際こういうやりとりがあった。

 報道のされ方次第で企業の生死が決まる実例である。

 だからこそ特に経営陣は「報道されることの危険度」をあらかじめ学んでおく必要がある。